墓地を読む

墓地から読めること

「墓地から読めること」とは変なタイトルですが、自分の家の墓碑が墓地内のどの位置にあるかで、その地域での自分の家の立場等を推測してみようということです。特に、地方の昔からあるような共同墓地ですと、同姓の墓碑がたくさん並んでいることがありますね。一般的に考えると、そのほとんどが同族の墓碑ということになるのでしょうが。

このような場合、墓地全体の中での自家の墓碑の位置を見ることで、自分の家が本家的な立場にあるとか、分家であればどの程度本家に近いのかという「同族の中の位置関係」を読むことができます。

ただ、墓地といっても、集落の里山の斜面に沿ってあったり、寺院や寺跡の共同墓地であったり様々です。このため、墓地の種類毎に見方を述べてみます。


集落の裏山の斜面に広がっている墓地の場合

古くからの集落では、裏山の斜面に沿って墓地が広がっていることが良くあります。この場合、本家ほど斜面の高い部分にお墓があるのが一般的です。上から分家を見守るというような感じがします。

寺院内墓地の場合

寺院内の墓地(だいたい本堂の裏にあります)の場合、本堂に近い場所になるほど本家のお墓である場合が多いようです。

寺跡の墓地の場合

以前はお寺があったが今は墓地だけ残っている寺跡の墓地では、本堂があった場所が推測できるような場合は、上記と同様に考えます。逆に、本堂がどこにあったのか分かりにくい場合、一般的には、太陽が昇る東側に本家の墓石があるようです。

以上のことについては、同姓に限らず他姓同士の場合でも応用できます。

村役(庄屋・組頭・百姓代など)に就いていたような旧家ほど、斜面の上にありますし、本堂に近い場所にあるものです。

自分の家の墓地だけを見て帰るのではなく、このような視点に立って墓地全体を見てみるのも面白いものです。