現地調査2日目

現地調査1日目
現地調査1日目続編の続き

大分県での現地調査2日目。

昨日の墓地調査で、1700年前後の出生と思われる方まで判明しました。「基本調査」として、遡る時代としては十分なものです。ただ、当然これで終わりではなく、今後は各時代のご先祖様に関する諸情報の収集に力を入れます。

ご本家を探し、旧菩提寺・氏神神社などの調査や古文書調査などを行います。昨日調べた史料によって、武士ではなかったことが分かりましたので、まずは村方文書の所在確認からです。

村方文書については、この地域の郷土誌の中に、「○○文書」という本籍地があった村名が付けられた文書がしばしば引用されていましたので、この古文書がキーポイントになるはずです。

これについては、事前に県立図書館や地元の図書館などに質問していたのですが、所在が確認出来ていませんでした。

そこで考えたのが、地元の郷土史会です。
郷土史会は、その地域に特化した情報を豊富にお持ちであることが多く、これまで多くの調査で助けられています。

たいていの場合、郷土史会は研究会報を発行しており、巻末には郷土史会の会員一覧が掲載されています。この会員の方々の中で、研究会報に多くの研究論文を投稿されておられる方に連絡をして教えを乞います。

このようなことから、開館時間ちょうどに図書館に行き、該当する郷土史会報を確認した結果、この郷土史会の会長さんにご協力を乞うことに致しました。

この場合、時間は掛かってしまいますが、一旦帰宅した後にお手紙を出して事情を説明し、その後はお相手の都合に合わせるという手順を取っています。ただ、今回は会員名簿に大字までの住所しか書かれていませんでしたので、現地に出向いてご自宅を探し、番地を確認することにしました。

かなり山間部の昔からの集落なのですが、このような地域の家は庭が広くて玄関までかなりの距離がある上に、表の門には表札がないことが一般的です。
また、同じ苗字の家が多いため、ほとんど苗字しか載せていないゼンリン地図は役に立ちません。

このため、近くの畑で農作業をされていたご老人に尋ねたところ、「うちの親戚だ。すぐそこだから家まで連れて行ってやろう。」ということになり、とうとうご自宅に直接お邪魔させて頂くことになってしまいました。

新型コロナのため、特に年配の方は見ず知らずの者の来訪を嫌がる方が多く、少し前には佐賀県でお相手を不愉快な思いにさせたばかりでしたので、それ以降は反省して直接訪問は避けています。

しかし、今日はそのご老人の勢いに身を任せることにしましたが、思った以上に親切且つ熱心な対応をして頂けました。
「座敷に上がりなさい。」というご好意を丁重にお断りし、ちょうど良い天候でしたので、縁側で少々距離を取ってお話をさせて頂きました。

この結果、目的の古文書は“区有文書”として、地区の神社に保管されていることが分かりました。ただ、区長や役員さんの許可がいるとのことで、その件につき会長さんが話してくれることになり、それに甘えさせて頂くことになりました。さすがに、今日・明日にというわけにはいかず、少し日を開けて再訪することになりそうです。

さらに、ご本家は戦前に土地を出て行かれたこと。お墓は土地に残る親戚が墓守をされていることなど、私が必要とする情報を入手することが出来ました。

古文書閲覧がまだ本決まりではなく、決まったとしても再度現地に来なければならない状況にはなりましたが、まあまあの収穫だと思います。

以上、かなりの長文になってしまいましたが、現地調査では実際にどのように動いているのかを知って頂くため、事細かに書かせて頂きました。