九年庵と紅葉
佐賀市の江戸前期調査の一環として、明治・大正期の佐賀の財閥として知られる伊丹家の文書がないかと探しているのですが、なかなか見つかりません。ある方から「神埼市の九年庵や最近出来た情報館に何か史料があるのではないか?」と教えて頂いたため、早速出掛けてみました。
この九年庵(くねんあん)とは、伊丹家の明治期のご当主である伊丹弥太郎氏が造った別荘です。その広大な庭園は、久留米の作庭家である誓行寺の阿(ほとり)和尚が明治33年から9年かけて築庭したことから九年庵と呼ばれているとのこと。
恥ずかしながら、これまで私はその存在を知りませんでした。
普段は公開されておらず、春と秋の短い期間だけ一般公開されているとのことであり、今年は11月15日~23日までということでしたので、ちょうど良いタイミングでした。
ところが、せっかく来てみたものの、門が閉じられて入ることが出来ません。周辺の方に伺ったところ、新型コロナの拡大防止のため公開中止になっているとのことでした。
無駄足となってしまいましたが、その周りの紅葉が素晴らしく、20分ほど散策してみました。少しばかりの休息が出来ただけでも良かったと思うことにしました。
その後、もうひとつ紹介されていた情報館にも寄ってみましたが、私が探している伊丹家の文書はなく、その所在情報もありませんでした。佐賀を代表する実業家であるにも拘らず、その文書があるのか? あるとすればどこに所蔵されているのか? 現時点で皆目分かりません。さらに探してみなければなりません。