分限帳調査の注意点②

分限帳調査の注意点として、以前の記事に「維新前後の改名」について述べましたが、今回は「下級武士」の場合についてです。

先祖が武士だったと聞いているのに、分限帳に名前がない!

この理由はいくつか考えられますが、そのひとつは下級武士だったということです。

分限帳には、全ての藩士が記録されているとは限りません。
特に活字化されて郷土史等に掲載されているような分限帳では、数十石以上の上級藩士の記録しかないことが多いものです。

たとえば、五石三人扶持といった扶持取り侍や金三枚などと金銭のみが支給されているような下級の藩士までが活字化された分限帳に掲載されていないことは珍しくありません。

この場合にどうするかといえば、活字化されていない原本を探すことです。

分限帳の原本がどこにあるのかについては、それぞれの地域で異なります。
都道府県立図書館などの大きな図書館、文書館、歴史資料館、旧藩の藩庁が存在した地域の地元図書館などを調べてみなければなりません。

ただ、この結果、「原本が残されていなかった!」ということもあります。
努力が必ず報われるとは限らない・・・これが家系調査です。

(記:平成27年2月1日)

「調査員の独り言」TOPページに戻る